カーボンニュートラルを実現するとは
世界の工業国は競うように、カーボンニュートラル化を目標にしている。遅くとも2050年までに、二酸化炭素の排出が実質ゼロとなるカーボンニュートラルを実現したいという。
それをどう実現するのか。
それについては、まだはっきりとした具体的な施策を出していないところが多い。でもスウェーデンなどは、おそらく2030年までにカーボンニュートラルを実現できる勢いだ。
これまでベルリン@対話工房では何回にも渡って、人類が火を利用すること、農業を開始すること、産業革命で石炭や石油などの化石燃料を使用することで、大きく変わり、進歩してきたことについて書いてきた。
今、カーボンニュートラルが求められているのは、産業革命によって化石燃料を使い出したことに起因している。その結果、温室効果ガスの排出によって地球温暖化を引き起こす。それが、気候変動の原因となっている。
ここで、アインシュタインがいったことばを思い出してもらいたい。アインシュタインは、
「問題を引き起こしたのと同じ方法で問題を解決するのは、不可能である」
と述べた(「従来の発電方法はたくさんの水を使う」)。
つまり、産業革命によってはじまった化石燃料の利用や、蒸気機関や内燃機関に依存する今の産業技術では、カーボンニュートラルを実現することはできないということだ。地球の温暖化をもたらしているのが、産業革命に由来する現代の産業だからだ。それが、ぼくが脱産業革命、脱蒸気機関、脱内燃機関を求める理由でもある(「脱蒸気機関、脱内燃機関、脱産業革命」)。
ここで、もう一つ思い出してもらいたい。
人類は、エネルギーとともに変わり、進歩してきた。エネルギーとともに変わるとは、エネルギーの使い方を新しく学んだということでもある。それについても、「産業革命が大きな転機だった」でおさらいしている。
それでは、ぼくたちがカーボンニュートラルを実現するにはどうすべきなのか。
わかると思う。産業革命に依存する現在の産業から脱皮しないといけないということだ。現代産業の基盤となっている化石燃料も核燃料も使わない、新しいエネルギーの使い方を実現しない限り、カーボンニュートラルは不可能だ。
ぼくたちは今、新しいエネルギーの使い方に向かう過渡期にいる。化石燃料と核燃料から再生可能エネルギーに転換しようとしている。そうなければ、産業革命に由来する地球温暖化の問題は解決できない。それをよく理解すべきだと思う。
それとともに社会は多く変わるだろうと、ぼくは思っている。
(2020年12月24日、まさお)
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