雪が好きなハナコ
ネコといえば、「ネコはこたつで丸くなる」ではないが、寒いところがいや。それが普通だと思う。
タロウも寒いのが苦手だ。寒い日は、決してバルコニーに出ようとしない。たとえバルコニーに出ても、すぐに部屋の中に戻ってくる。バルコニーの表面が冷たいと、いかにも冷たーと、足をすぐに持ち上げたりする。
まったくネコらしい。
冬になると、夜中はだいたいぼくの布団の上に上がってきて暖をとる。そうなると、ぼくは寝返りをうてない。ベッドの上で仰向けになって、ジーと硬直しているしかない。足に顎など載せられると、もっとたいへん。とても重く感じる。足を動かせないので、翌朝からだのどこかが凝っていたりする。
好きなようにそうさせているのも、親バカなんだが。
それに対して、同じ兄妹でもハナコは寒いのが大好きなのだ。寒くてもバルコニーに出て、フレッシュな空気を吸ってとても気持ちようさようにしている。「寒いよ」といっても、外に出せという。
ハナコは雪も大好き。バルコニーに雪がつもると、犬ではないかと思うくらいに、雪の上ではしゃぎ回る。「早く中に入って」と呼んでも、なかなか入ってこようとしない。そのうちに寒くなると、オー寒という感じで、早く中に入れろと催促する。
まったくネコらしくない。
ハナコの毛は短いので、雪の上をはじゃぎ回っても、毛に雪がくっつくことはない。手や足がそれほど濡れないので、放っておけばいい。多少濡れていても、寒くならない。後で自分で舐めるので問題ない。
ハナコもタロウも、バスタブにお湯が入るのを見るのも大好きだ。水面が上がっていくのに興味があるようだ。バスタブの細い腰壁の上に座ってよく見ている。こちらは、滑り落ちるのではないかとハラハラしている。でもハナコとタロウは、いつも平然としている。
一度バスタブにお湯を入れている時に、ハナコがバスタブの中に入ってしまったこともある。「ドブン」という音がしたので、慌てていったら、湯船につかるネコではないが、ハナコがお湯につかっていた。ハナコ自身も慌てていた。その時はすぐにハナコをバスタブから引き出して、バスタオルでからだを拭いてやろうとした。
ところが、ネコがバスタブに落ちるとは、弘法も筆の誤りではないが、ネコらしくないと思ったのだろう。バツが悪かったらしい。慌ててぼくの手から逃げていった。後はもう知らんと、自分で舐めて水分をとってもらうしかないと放っておいた。
2020年9月14日、まさお
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