大人になったハナコとタロウ

 少し時間がかかったが、ハナコとタロウにアレルギー反応があることがわかった。それは多分、もう生まれつきだったのだと思う。

 わが家につれてきてすぐに具合が悪くなったのは、今から思うと、与えた餌に対するアレルギー反応だったのだ。確かその時、最初に与えたのは牛肉の入った餌だったように記憶する。

 ハナコとタロウには、牛と魚にアレルギーがあるのだから当然だったといえる。

 その後アレルギーに気づかずに、牛肉の餌を与えていたのは、飼い主としてとても後悔している。調べたところ、約30%のネコに牛肉に対するアレルギー反応があるという。

 でもハナコとタロウは、順調に育ってくれたと思う。アレルギー反応があることがわかってからは、症状も落ち着いてきた。親としても少し安心した。

 問題は、タロウに下痢と血便が出たことだ。ただそれについては、本連載の本質的なテーマなので、後で詳しく述べたい。

 いずれにせよ、ハナコとタロウはすくすく成長。大人のネコっぽくなってきた。

生後1年くらいのタロウ(左)とハナコ(右)。かなり大人っぽくなった。

 それで考えなければならなかったのは、去勢するか、しないかだった。

 メスとオス、それも兄妹だ。それも、自宅だけで飼っている。最初だけでも去勢しないで体験させる可能性はないか、いろいろ考えてみた。でも、この環境では無理だと思った。人間のエゴで2匹にはかわいそうだが、去勢することを考えなければならなかった。動物とはいえ、近親相姦を認めてまでとは思えなかった。

 最初にオスのタロウのほうが、メスのハナコを追っかけるようになった。そのため、まずタロウのほうから去勢してもらう。その後少し経つと、ハナコのほうもタロウを誘うようになった。それで少し経ってから、ハナコも去勢してもらう。

 タロウのほうは、チョキんと切り取ってもらうだけ。それに対してハナコのほうは、全身麻酔でからだにメスを入れる。麻酔から覚めるのに少し時間がかかった。獣医から引き取ってきても、まだ立てない。ハナコはどうしたのかと、不安な感じでいた。

 そのため、ソーと静かに寝かせておいた。

 麻酔が覚めて元気になってからも、一苦労だった。傷口を舐めてすぐに糸を抜いてしまわないように、獣医からはエリザベートカラーを首にまきつけるようにいわれた。

 でもハナコは、絶対にエリザベートカラーをさせようとしない。

 それで、ぼくの下着のシャツを切って胴体に巻き、傷口を覆ってみた。でもハナコは、すぐにシャツを脱いてしまう。いろいろ工夫して脱がないようにしても、ダメだった。

 諦めるしかなかった。ハラハラしながら、糸を抜きませんようにと祈るしかなかった。指折り数えて、抜糸にいく日を待った。

 抜糸にいく数日前のことだ。朝起きて見ると、糸の一部が切れて糸がなくなっている。まあ、ここまできたのだから仕方がないかと思った。でも念のため、あわててハナコを獣医のところに連れていった。

 獣医は少し早いけどもう大丈夫だろうと、そのまますべて抜糸してくれた。それで一安心。

2020年8月17日、まさお

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