急死に一生を得たタロウのその後

 タロウが急死に一生を得たことから、少し離れてしまった。そのことに戻りたい。

 タロウが5カ月間、馬肉のキャットフードを食べ続けてくれた。それで、嘔吐も下痢もなくなった。それが急に、急死に一生を得るほとの重症になったのには、ぼくたはとても驚いた。タロウがようやく、嘔吐と下痢から解放されたのかと思っていたからだ。

 でも現実には、そうではなかった。それはこれから書き続けていくので、わかると思う。ただその間に、いろいろなことを学んだ。

 まず、馬の肉のタンパク質が軽いので、タロウのように下痢の症状のあるネコには、いいこと。

 タロウのアレルギーの原因となる魚と牛肉の混じっていないことが確実な餌は、高品質の餌でなれば無理なこと。それを与えれば、タロウはアレルギーから解放される。一般に手に入りやすい市販の餌では、製造過程において機械が徹底して洗浄されていないので、たとえば牛肉や鳥肉と明記されていても、それ以外に他の肉が機械に残って混じっている可能性が高い。

 この点は、ぼくたちにはとてもいい教訓となった。それ以来、アレルギーのあるタロウには、高品質の餌しか与えていない。

 問題は、どうしてタロウが馬肉の餌を食べ続けて、重い下痢になったのかだ。下痢の原因はエコー検査から、腸の慢性粘膜炎といわれた。でも慢性なら、どうして常に下痢が続かず、1週間置きくらいに下痢となるのかもよくかわらない。それも回復すると、ピターと下痢も嘔吐も「一夜にして」という感じで、急に止まってしまう。それが不思議だった。

タロウは、隣人からおみやげにもらったニュージーランド製のウールの袋が好き。よく袋に飛び込んでいく。調子がいいと、タロウはこうして太って、ふっくらするようになる。でも嘔吐と下痢になると、ほとんど何も食べなくなるので、すぐに痩せこけていく

 それが、獣医が自己免疫疾患ではないかと診断した根拠でもあったと思う。獣医は、腸の内視鏡検査でもっと詳しく調べたいといった。でもそのためには、全身麻酔が必要た。ぼくたちはそれでは、タロウのからだに負担がかかりすぎると思い、断った。

 自己免疫疾患では、何かの刺激を受けて、急に免疫性に狂いが生じ、腸の粘膜が免疫性によって攻撃される。何が、その起因になるのか。わからないままだった。

 食事療法を続けなければならない。だた5カ月間、馬肉の餌しか与えなかったことで、タロウのからだが馬肉にもう飽き飽きしてしまった可能性もある。馬肉以外にタンパク質の軽い肉の餌を探そうと思った。

 そうして、できるだけ症状が繰り返されないようにするしかない。高品質の餌によって食事療法を続ければ、アレルギー反応はもう出ない。アレルギーはもう気にすることはない。それだけでも、たいへんありがたかった。

 当時の獣医はタロウのために、ぼくたちがそうすることはわかっていた。獣医は抗生物質などでそれ以上治療しようとはせず、タロウのことを一番知っているぼくたちの思うようにするのか一番だと思ったようだった。

 獣医は、タロウに何か緊急のことが起こったら、いつでもすぐにきなさいとだけいった。

2021年12月13日、まさお

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