タロウのチョッキ

 タロウに牛肉と魚の油に対して、アレルギー反応が出ることはすでに書いた。もちろん、牛肉と魚の入った餌はもう与えなかった。餌のレベルも少し上げて、高級なものにすることにした。少し高いものということだ。

 本当は、獣医に勧められた餌を与えたかった。そちらは特殊なメーカーのもので、製品管理のしっかりしている餌。肉は、純正なものが使われている。もちろん、こちらのほうがかなりお高いのだが、タロウの健康には変えられない。

 単純にいえば、ロイヤルカナンのレベルか、それ以上のものということだ。

 しかしタロウは、この純正のも餌を食べようとしなかった。肉が純正すぎるのだと思う。一般に買える市販の餌には、食欲をそそる添加物が入っている。小さい時からそれに慣れてしまったタロウには、純正な肉はもう食をそそらないのだった。

 これは、ぼくたち飼い主の責任だったと反省している。

 ドライフードしか食べないハナコのほうは、簡単にこの高級メーカーの高級ドライフードに切り替えることができた。それによって、アレルギー反応も止まった。

 それに対して、缶の餌を食べるタロウのほうは、切り替えができなかった。そのため、市販の餌でもできるだけ高級なものに切り替えた。そのほうが、表示も信用できると思ったからだ。

 しかし、アレルギーの湿疹は止まらなかった。ただ湿疹のかゆさが軽いのか、頻繁にかいたり、なめたりして、その部分が大きなハゲになるほどではなかった。しかし、湿疹の出た部分をかいたり、なめたりするのは止まらない。小さなハゲができることもあった。

 獣医に相談しても、湿疹に塗る抗生物質の入った乳液を出されるだけだった。でも抗生物質だと、いずれ効果がなくなる心配がある。

 それに代わるものはないだろうか。

 知人が代替医療をする獣医を紹介してくれた。それで試してみるようにいわれたのが、コロイド銀の溶液だった。銀のイオン水ということだ。イオン濃度は25%。湿疹のあるところに塗ってみてはどうかといわれた。

 銀食器に殺菌作用があるように、コロイド銀にも殺菌作用があるといわれた。

 確かにそれを塗ると、かゆさがとれるらしい。タロウは気持ちよさそうにしていた。スーとする感じなのか。ただそれも一時的な効果なので、1日に何回もコロイド銀を塗ってやらなければならなかった。

 時間がかかったが、湿疹は小さくなっていった。牛肉と魚の入った餌はもう与えていないのに、次から次に湿疹が出てきた。

 かゆくて仕方がない時は、よくかくので、小さなハゲができたりした。それを何とかできないかと、いろいろなことを試してみた。獣医は、円錐状の形をしたエリザベートカラーを首にまけば、なめることができるなくなるからというだけだった。

 でも現実は、そう簡単ではない。

 エリザベートカラーを首の周りに巻きつけると、タロウはたいへんいやがった。パニック状態になることもあった。その上、首の周りが一番ハゲができやすい。プラスチックのエリザベートカラーはハゲになった皮膚を傷つけ、出血することもあった。

 エリザベートカラーは、諦めるしかなかった。

 いろいろ試してみて、一番効果があったのは、以下の写真のチョッキだった。

チョッキを着せられたタロウ。首の上の黒いのがボタン

 ぼくの木綿のももひきのを切り取って、前脚を入れる部分に穴を開けた。それを胴体に着せる。問題の首の周りは、木綿のタオルをまけるように、ももひきにタオルを縫い付けた。タオルにボタンをつけて、襟巻きカラーになるようにした。それで、首の周りを保護する。

 タオルは、ももひきに縫いつけてあるので、ももひきがからだから抜けない限り、首に巻きついたままだ。ももひきには前脚を突っ込んでいれるので、からだからそう簡単には抜けない。

 これが、ぼくたちが何回も失敗を繰り返して試行錯誤した末にできた最高の解決方法だった。獣医も痛く関心して、参考のために写真まで取っていた。

2020年11月30日、まさお

関連記事:
タロウのアレルギー
タロウが吐き出す
タロウのハゲ

この記事をシェア、ブックマークする

 Leave a Comment

All input areas are required. Your e-mail address will not be made public.

Please check the contents before sending.