野生動物の肉がいい

 タロウが急死に一生を得て回復した後も、馬肉のキャットフードを与え続けた。これは、食事療法用につくられたもので、獣医の処方箋がないと買えない。

 馬肉のタンパク質のほうが軽いので、胃腸のよくないネコ用につくられているキャットフードだ。

 馬肉だけを5カ月以上も与え続けたので、タロウのからだがそれに慣れてしまったらしい。それで再び、免疫性が腸の粘膜を攻撃し、炎症を起こしてしまうと見られる。

 タロウの食事療法用に、その他の肉を与えることができないか。いろいろ探してみた。馬肉のキャットフードを買っているVET-CONCEPTでは、胃腸の悪いネコ用のため、馬肉以外にバッファローの肉のキャットフードと、昆虫からできたキャットフードが販売されている。

 しかし昆虫のキャットフードは、いつも品切れだった。当分素材不足で、販売できないということだった。バッファローはウシ科なので、牛肉にアレルギー反応の出るタロウには無理だろうと思った。でも念のため、VET-CONCEPTに相談してみる。

 すると、多分大丈夫ではないかといわれた。ぼくはそうかなとも思った。でも100グラムの一番小さい缶をいくつか買って、試してみることにした。

 やはり、アレルギー反応で湿疹がでてきた。バッファローはタロウには、与えられない。

 それから少し後に、カンガルーの肉でできた食事療法用のキャットフードが出てくる。それなら問題ない。でもタロウは、あまり好きではないらしい。よく食べる時と、まったく食べない時がある。

 その他、食事療法用ではないが、VET-CONCEPTにはトナカイとウサギのキャットフードがある。イノシシの肉のキャットウードを出しているメーカーもある。シカの肉もタンパク質が軽いので食事療法用に使えるが、シカの肉のキャットフードはほとんどない。あってもかなり高い。

 後から述べるが、ある獣医にネズミを与えてみるのも一つの手だといわれたこともある。

最近のタロウ。調子がよくて元気だと、タロウはよく、キャットタワーのてっぺんで寝ている。でも調子が悪いと、キャットタワーには登らなくなる

 こうして見ると、ぼくたち人間が食べる家畜の肉は、タロウには合わないということだ。家畜の肉のタンパク質が、重いからだ。それに対して、野生動物の肉はだいたいタンパク質が軽い。タロウのように胃腸に問題のあるネコが食事療法するには、タンパク質の軽い野生動物の肉がいいことがわかってきた。

 でもその時は、馬肉のキャットフードしか手に入らなかった。仕方がないので、それをタロウに与え続けるしかなかった。

 それによって、タロウに湿疹が出ることはなくなった。それだけでも、たいへんありがたかった。

 でも1週間から2週間の間隔で、嘔吐と下痢がはじまり、何も食べることができなくなる。ありがたいことに、食べないのはせいぜい2日くらい。症状もそれほど重くならなかった。ぼくたちは、ホッとした。

 そういうことの繰り返しだった。だからタロウは、太ることができない。タロウの体重は、4.5キログラムを前後していた。

2022年1月10日、まさお

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ねずみさん、ありがとう

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