自分で抗原検査キットで検査する

 政府のロベルト・コッホ研究所が今朝発表したところによると、ベルリンでは直近1週間の人口10万人あたりのコロナ感染者数が1000人を超えた。ドイツ16州では、ブレーメン州(市)についで2番目に多い。

 実際、ぼくの周りでも感染者が増えている。昨年2021年12月からこれまでの1カ月半の間に、ぼくの友人・知人の間では9人が感染している。2020年春に友人が一人コロナに感染して亡くなっているが、ぼくの周りでは今、明らかに感染者が増えている。とても多くなったといったほうがいい。これまでとは比較にならない。オミクロン株の影響なのだと思う。

 その感染者のほとんどは、すでにワクチンを3回接種している。感染者には、80歳以上が2人いる。いずれも幸い、軽い症状だった。その他は、症状がまったくないか、軽くて済んでいる。1人は20代後半で、2回目の感染。2回も感染して隔離するのは、精神的にもきついといっている。

 家族間か共同生活者間で感染している以外、感染経路がまったくわからないのも、今回の特徴的だ。

 ベルリンでは昨年12月26日から、ワクチンを2回以上接種しているか、回復者であるのに加えて、抗原検査で陰性を証明しない限り、レストランやカフェなどの飲食店や、コンサートなどの催し物には入れない。ワクチン非接種者は検査して、陰性でも入れない。それが1月15日から、ワクチンが3回接種してあれば、抗原検査陰性証明を提示する必要がなくなった。

 それは、3回目のワクチン接種をより加速させるためでもある。オミクロン株対策として、ワクチンを3回接種することが重要とされる。だがドイツでは、ワクチンを3回接種した人はまだ、人口の47.1%(2022年1月17日発表)にすぎない。2回接種した人は72.7%だ。

 わが家ではここにきて、抗原検査キットを常備しておくようになった。感染者が増えている上、感染経路がわからないケースがほとんどだからだ。特に高齢者などと会う前には、自宅において自分で事前に検査し、陰性を確認してから会うようにしている。

 抗原検査キットは、薬局やドラグストアで簡単に買える。ドラグストアでは、店頭には並んでいない。レジで抗原検査キットがほしいというと、1回に1人あたり3キットまで買える。1キットは、日本円で250円くらい。

 陰性証明が必要な場合は、検査センターにいって検査してもらう。検査センターは街頭のあちこちにあり、検査は無料だ。検査結果は20分後くらいにメールで送られてくる。スマホで受信して提示すればいい。

 抗原検査では、自宅であろうが、検査センターであろうが、陽性が出ても、その後にPCR検査で陽性が出ないと、陽性は確定しない。確定診断するためのPCR検査は、無料だ。

 日本では抗原検査やPCR検査の検査料金が、ベルリンの有料料金の数倍もする。抗原検査キットも数倍から5倍以上もするから、ちょっと驚きだ。検査の重要さを認識しないで、コロナ感染を抑えることはできない。日本は本気でコロナ対策を講じているのか、疑いたくなる。

抗原検査キットのテストカード
判定部「C」だけに線が入ると陰性。判定部「C」と「T」の両方に線が入ると陽性。判定部の両方か、判定部「T」だけに線が入ると、検査は無効となる。

 検査方法は簡単に書くと、こうだ。

 綿棒で鼻から検体を摂取して、それを検体抽出液に入れる。その検体液をテストカードに数滴たらして、結果がでるまで15分待つ。これまでの経験では、結果は数分でだいたいわかる。

 検査は自分でも、簡単にできる。ぼくはスマホのストップウォッチを使って、時間を測りながらやっている。

 ドイツでは州によって異なるが、毎朝学校で抗原検査キットを渡され、教室で先生と生徒が一緒に、週に2、3回自分で検査する。

 それだけたくさん検査をするので、それによって発生するゴミは莫大な量となる。わが家で自分で検査するのはせいぜい週に1回くらい。それでも、ゴミがたいへんだなあと思う。検査に使ったキットは、一緒に入っている廃棄用のビニール袋に入れ、その他のゴミとして捨てる。「その他のゴミ」とは、資源ゴミでも、生ごみでもないということ。キットの入っていた包装材は、資源ゴミとして捨てる。

 さらにマスクだ。ドイツでは医療用マスクを着用する。医療用マスクは不綿布マスクなので、その処分も問題だ。廃棄量もバカにならない。コロナ禍で、ゴミが莫大に増えているのだろうなあと想像できる。

 市民が衛生上、石鹸で手洗いする回数も増えている。それによる下水処理場の汚染も、かなり増大しているはずだ。わが家では植物性の石鹸を使っているが、それでもこの問題も気にかかる。

 とはいえ、コロナ禍で感染を防止することが大切なのはいうまでもない。苦渋の選択だが、コロナ禍が収束するまでゴミと汚染が増えるのは我慢してもらうしかない。不法投棄・処分されないことを願うばかりだ。

2022年1月17日、まさお

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関連サイト:
新型コロナ感染症に関する検査について(厚労省)
ご家庭には必ず抗原検査キットを常備しましょう!(神奈川県公式サイト)

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