代替治療のできる獣医を探す

 抗生物質やステロイドを使わないで、タロウを治療してもらえないか。ぼくたちはそれだけを、望んでいた。19歳で亡くなった雌ネコのエルザの時、処方される薬がいつも、小さな動物には強すぎるのをよく見てきた。薬を飲ませると、だいたい副作用が出る。からだが逆に衰弱する。

 ハナコとタロウは生まれて5カ月くらいに、わが家にきた。そんな小さな時から、薬漬けにするのはいやだった。ハナコが急死した分、タロウにはハナコの分も長く生きてもらいたい。

 抗生物質やステロイドを使わないだろうと期待していった獣医。しかし推薦された獣医に、ステロイドを使うといわれる。その時は、ショックを通り越し、怒りが爆発した。

 現代医学に頼る獣医では、もうダメ。代替治療のできる獣医を、何とかして探すしかない。ぼくたちはそう確信した。

最近のタロウ。久しぶりに太陽が出ているので、籐椅子に寝っ転がって日向ぼっこをしている

 連れ合いの知人が長い間、重い下痢に苦しむネコを飼っている。そのネコが代替療法で治療してもらっているのを、連れ合いが聞いていた。その知人に直接、聞いてみよう。

 そのネコは、中国鍼と漢方薬で治療してもらっている。確実によくなっている。ちょうど、漢方薬を取りにいくところだといわれた。その獣医は、現代医学と並行して東洋医学でも治療している。

 その獣医はベルリンではなく、ベルリンに隣接するテルトウという小さな町で開業している。知人は自家用車にネコを乗せ、治療に通っていた。ただ車を持っていないぼくたちは、公共交通を使っていかなければならない。タロウを1時間半も電車に乗せていくのは、ちょっと無理だと思った。

 そのネコは19歳で、亡くなったという。最近になって聞いた。

 東洋医学で動物を治療する獣医がいる。それを知っただけで、希望が持てた。ベルリンでは実際、ヒトを治療するのに中国鍼を使う医師も増えている。そういう獣医がいても、おかしくない。

 ぼくたちは、希望を持った。

 連れ合いが、ネットで検索し出した。少し経って、ベルリン郊外に一人女性の獣医がいることがわかった。現代医学を勉強した獣医だが、わざわざ中国にいって動物のための中国鍼と中国漢方を勉強して、資格を取ったという。

 そこだとわが家から、1回乗り換えで45分くらいでいける。もちろん、ネットで見ただけでは判断できない。直接タロウを連れていって、話してみるしかない。

 ぼくたちはすぐに、試してみることにした。

2022年2月14日、まさお

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関連記事サイト:
ベルリンに隣接するテルトウ町において中国鍼と漢方薬でも治療する獣医のサイト(ドイツ語)

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