すぐには効果は現れない

 中国の東洋獣医学を学び中国鍼、漢方薬、ホメオパシーでペットを治療するアリアスさん。まず、タロウの小さい時からの状況と病状、現在の病状を30分以上に渡って詳しく質問された。それは前回、すでに書いた。

 以前獣医のところで採血した血液検査の結果なども、持っていた。血液検査結果では、それほど悪いところは見当たらない。肝臓の値が少し悪いのと、膵臓の値が正常値の範囲内だが、ちょっと低いといわれたことがある。アリアスさんは結果、さっと目を通しただけだった。

 アリアスさんは、中国鍼とホメオパシーで治療するといった。2週間おきに、4回治療するという。治療時間は、1回当たり1時間弱。ホメオパシーでは、2種類の液体を渡され、自宅でタロウにその匂いをそれぞれ毎日1回、かがせる。

 タロウのやっかいな病気は、4回の治療では治らない。ぼくはそう思った、自分が鍼灸や指圧など東洋医学で治療を受けた経験から、東洋医学では効果が現れるまでには時間がかかる。

 たとえ4回の治療で症状が緩和されたり、治癒したとしても、その後も定期的に鍼をうってもらったほうがいい。からだの気の流れを定期的に調整するためだ。

 ぼくはそう、長期戦だと覚悟していた。でもまずは、アリアスさんのいう通りにするしかない。

 タロウは、ホメオパシーの物質の入った液体の匂いをかぐのはいやがらなかった。アルコールも入っているはずで、鼻にツーンとくるはずだ。それなにむしろ、心地よさそうだった。

 1回目の治療の後も、タロウにはそれまでと同じように、1週間くらいの間隔で嘔吐と下痢が続いた。下痢は多少、軽くなったような気がしないでもない。

 2回目の治療で、アリアスさんはタロウに適したホメオパシーの物質を模索しているようだった。何回も参考文献をあちこちとめくっていた。

 そのうちに、別の物質を希釈した液体を出される。それも、鼻で匂いをかがせるだけでいいという。

タロウの頭に刺さったままの鍼(白く見える細い棒状のもの)。だいたい20分間、鍼を刺したままにしておく

 ホメオパシーの液体は、タロウに鍼をしている時に準備した。タロウは初回と同じように、頭の上と手と脚の付け根などに鍼がうたれていた。全体で9本だったと思う。

 鍼は、刺す部分がとても細い。その部分は、柔らかそうだ。手に持つ先端部分が少し、太くなっている。長さは、全体で3センチメートル余り。一つ一つビニールに入っていて、使い捨て鍼だ。

 アリアスさんは、その鍼を簡単に刺していく。タロウは鍼をうたれても、痛がらない。何気なく鍼をうたせている。

 20分くらい鍼をうったままにしておく。最後に、鍼を抜いて抜いた本数を確認する。すべて抜き終わっていればいい。鍼を抜き終わると、今回もタロウの顔つきが変わり、とてもリラックスした表情をしている。

 まずは、いい兆候だと思った。鍼の効果が出ている証拠だ。

2022年9月05日、まさお

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