蒸気は動力源
まさお:前回、なぜ石炭で火力発電できるのか、詳しく話したね。石炭を燃やし、その熱で蒸気を発生させるのだった。その蒸気は熱いので温度の高いところから低いところに動く。その圧力でタービンを動かし、その動力で発電機を回すのだった。
これは、蒸気を発電に使った例だね。その他にきみたちの生活の中で、何か蒸気が使われているのを見たことはないかな。
タロウ:ええ、蒸気を使う?それも生活で。。。
ハナコ:えーと、たとえばやかん?
ま:なるほど。やかんでは、蒸気は何のために使われている?
ハ:お湯が沸くと、ピーとなるじゃない。あれは笛かな。
ま:おお、いいところに気づいたね。それでは、どうして笛がピーとなるんだろう?
タ:それは多分、ホイッスルに息を吹き付けるのと同じじゃないのかな。
ま:音のなるのは、ちょっと難しいからいっちゃうね。ホイッスルには、歌口という穴があいていて、内側に突起があるんだ。その突起で、吹きつけた息が二分され、歌口から外に出た息が外の空気と摩擦して、気流の渦ができて音がなる。
笛は、息を吹くからなるんだね。蒸気の場合は、熱エネルギーがあるので、温度の高いところから低いところに空気が流れる。だからお湯が沸くと、蒸気はホイッスルに息を吹き込んだのと同じ役割を果たすんだ。
ハ:そういえば、お湯が沸騰すると、お鍋の蓋が持ち上がったりするわ。
ま:そうだね。それも蒸気の熱で空気が温度の高いところから低いところに流れて圧力が発生するから、その圧力で蓋が持ち上がる。
それはお鍋の蓋のことだけど、蒸気で何かを動かしているのを見たことないかな。
タ:蒸気で動かすか。。。何を?
ハ:蒸気ね。アイロンから蒸気も出るけど、何も動かせないわ。
ま:確かに、ほとんど見なくなったのは確かなんだけど。。。古いもので、マニアがたくさんいるよ。顔が黒く汚れたりする。臭いしね。
タ:わかった!それはひょっとして、蒸気機関車かな。
ハ:そうだ。蒸気機関車だわ。
ま:その通り。それでは、蒸気機関車はどうして走るのかな。
ハ:タロウ、ほらきたわよ。
タ:任せておけよ。石炭を燃やして、蒸気を発生させるからに決まっているじゃん。
ま:そうだけど。それから?
タ:次は、ハナコの番。
ハ:あっ、タロウったらきたないわ。キーになるところは逃げるんだから。
エーとですね。蒸気には熱があるから、空気が熱いところから冷たいところに移動するんでしょ。ハイ、次はタロウ。
タ:きたない。そこまでは、もうやったじゃんよ。問題は、そこからなのに。でも、その圧力で機関車が動くんだよ。
ま:そうだよ。それで?
でもこれは、きみたちにはまだいっていないから、ぼくが説明することにしよう。
ハ+タ:やった!
ま:円筒の中にピストンという機械が入っていて、蒸気の圧力を受けて円筒の中で往復運動するんだ。そうして、蒸気の熱エネルギーが運動エネルギーに変換されるんだね。その運動エネルギーで蒸気機関車は動くんだ。
火力発電でも、タービンによって蒸気の圧力を受けて、それを運動エネルギーに換えていた。だから火力発電でも蒸気機関車でも、蒸気を何かものを動かす基盤として使っているんだね。だから、動力源ともいわれる。
こうして、蒸気を使ってものを動かす仕組みを蒸気機関というんだ。このことばは、覚えておこう。
2021年11月17日、まさお
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関連サイト:
蒸気機関(コトバンク)
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