水車小屋が必要になったのはなぜ?
まさお:前回、シューベルトの歌曲集「美しい水車小屋の娘」から、水車を使って麦を製粉する時に、どういうエネルギーを使っているかについて話した。
ハナコ:あの後、YouTubeで「美しい水車小屋の娘」を聞いてみたの。とてもきれいな歌ばっかりね。でも最後に、若い粉職人が水に入って死んでしまうなんて、とても悲しいわ。涙が出てきた。
タロウ:へー。ハナコだって泣くことがあるんだ。
ハ:もちろんよ。わたし、感情深いだから。
ま:ハナコは、いいところに気づいたね。実は、若い粉職人が自殺してしまうことには、いくつか意味があると思うんだ。でもそれについては、何回か後になってから、また「美しい水車小屋の娘」に戻って話をしたいと思う。ハナコやタロウが今、こうして豊かに生きておれるのは、そのおかげでもある。
それが何か、ハナコもタロウも考えておいてくれよ。宿題にしておこうか。
タ:ええ、宿題なんていやだよ。時代遅れ。
ま:いや、宿題じゃない。きみたちに、自分で考えておいてほしいということだよ。自分でどういうことだろうと、自由に考えればいいのさ。
ハ:わかったわ。そう思うと、楽しいよね。わくわくする。
タ:でも。。。
ハ:タロウは、くずくずしないの。
ま:ちょっと前置きが長くなってしまったね。今回、きみたちと考えたかったのは、なぜ麦を製粉するのに水車小屋が必要になったのかということなんだ。粉職人が自分で、麦をひくことだってできるよね。そうだろう。
タ:水車を使ったほうが楽だからかな。
ハ:確かにそうかもしれないけど、それだけではないような気がするんだけど。。。
ま:水車を使うと、職人さんの作業が楽になるだけかな。水車は休みなく動いているよね。
タ:ああ、そうだ。わかった。たくさんの麦を製粉できんだよ。
ハ:そうだわ。
ま:その通りだ。水車を使うことによって、たくさんの麦を製粉できるようになった。では、どうしてたくさんの麦ができるようになったんだろう。
ハ:そんなの決まってるわ。たくさん栽培したからでしょう。
ま:なるほど。いいぞ。それでは、どうして麦をたくさん栽培できるようになったんだろう。
ハ:えーと。。。
タ:ああ、わかった。たくさん栽培するとは、農業ということよ。農業をはじめたからだ。
ま:その通り。人類は、農業をすることによってたくさんの食糧を得ることができるようになったんだ。食糧がないと、たくさんの人が食べていくことができない。
ハ:そうよね。食べるものが十分にないと、生きていけないもんね。
タ:そうか。こうしてぼくたちがたくさん生きているのは、農業のおかげなんだ。
ま:そうだね。ぼくたち人類は農業することを学んで、たいへん進歩したんだ。農業がとても大切だということだ。それをしっかり覚えておいてくれよ。
そこで、次の質問だ。農業をするとは、どういうことなんだろう。それをエネルギーと結びつけて説明してくれないかな。
タ:農業とエネルギー。そんなの関係ないよ。
ハ:農業では、植物が成長して大きくならないと収穫できないよね。。。。
ま:おお、いいぞ。植物はどうして大きくなるんだ。
ハ:植物が大きくなるのは。。。
ま:中学生の時、理科の授業で習わなかったかな。
タ:ああ、わかった。わかった。それ、光合成だ。光合成だよ。
ま:そうだね。植物は、光合成によって大きくなるんだ。それでは、光合成とはどういうことだった。
ハ:えーと。あれは、植物が根から水を吸って、空気中の二酸化炭素とともにデンプンを作るのじゃなかった?
ま:水と二酸化炭素だけで、デンプンできたっけな。
タ:いや。植物は、暗いところでは育たないじゃないか。ということは、どういうことなんだ。。。
ハ:わかった。太陽だ。太陽の光がいるのよ。
ま:そうだね。太陽の光ということは。。。
ハ:光エネルギーね。
ま:ようし。わかったね。太陽からの光エネルギーを使って、植物は水と二酸化炭素をデンプンなどの糖を合成しているんだ。その時、空気中に酸素を排出してもいるんだ。それが光合成だ。それは、太陽からの光エネルギーを化学エネルギーに転換していることになるんだ。
ということは、農業とともに、人類は何を学んだことになるんだろう。
タ:太陽からの光エネルギーを使って、たくさんの食糧を収穫することを知ったんだ。
ま:それが、人類が人口を増やし、進歩する大きなポイントだったんだ。農業では、もう一つエネルギーのことについて話したかったんだけど、もう長くなったので、次回にしようか。
ハ:わーい。やったあ。
2021年5月26日、まさお
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関連サイト:
シューベルトの歌曲集「美しい水車小屋の娘」(歌:フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール))
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