火は人類が進歩した源
まさお:これまで、農業とエネルギーの関係について学んできた。農業は、エネルギーなしには成り立たない。人類は、農業とともにエネルギーを利用することを学んだんだ。
でも農業がはじまる前に、農業が成り立つ上でとても大切なことがあった。そのことも学んでおきたい。
田んぼで米を収穫するのが、農業だね。その米は、そのまま食べれるかな。
タロウ:そんなの硬くて食べれないよ。
ま:そうだね。では、米を食べるためにはどうするんだっけ。
ハナコ:決まってるでしょ。お釜に入れてご飯を炊くのよね。
ま:それじゃ、ご飯を炊くとはどういうことだ?
タ:うちでは、電気釜でご飯を炊いているよ。そうか。電気エネルギーだ。電気エネルギーで、お米が食べられるようになるのか。
ハ:ちょっと待ってよ。それ、ちょっと違わなーい。ご飯は熱いわよ。
ま:ということは?
タ:ハイ、ハイ、そうだった。わかった。わかった。熱エネルギーによってお米が柔らかくなって、食べることができるようになるのか。
ま:その通りだ。今は電気釜でご飯を炊くけど、昔はどうしていたか、知っていないか。
ハ:わたし、知ってるわ。カマドで、薪を燃やしたのよね。そうして、ご飯を炊いたの。
ま:そうだね。薪を燃やすと、どうなる?
タ:火がつくに、決まってるじゃん。
ま:本当に、そう決まっているのか。
タ:火がつくよ。
ま:それじゃ、タロウに聞くよ。火がお米を柔らかくするのか。
タ:ううーん?火でお湯が沸騰して、ご飯が炊けるんだよね。
ま:ということは???
ハ:わかった。わかった。それ、熱エネルギーね。
ま:そうだね。火の熱エネルギーを利用して、お米をご飯として食べることができるようになった。その他にも、ジャガイモも火を通さないと食べることができない。肉などの生物(なまもの)も、火を通すことで長持ちするようになった。
火がなかったら、ぼくたち人類は今のように、大きなからだになっていないかもしれない。脳もこんなに発達していないかもしれない。ぼくたちが今、いろんなものを食べることができるようになったのは、火のおかげなんだ。
タ:そうか。火がないと、料理できないもんね。
ハ:そして農業によって、たくさんの食糧を生産できるようになったので、人類の人口も増えたってわけね。
ま:ハナコはいいところに気づいたね。いいぞ。
ところで火は、その他にも利用されていないか。
タ:昔は、ストーブでは薪を燃やしていなかった?
ま:そうだね。ということは、それも熱エネルギーだね。
他にないかな?
タ:えーと。。。
ハ:そうだわ。ロウソクを点けると、明るくなるわ。
ま:ということは?
ハ:光エネルギーで、明るく照明できる。
ま:まだないかな。昔、人類の先祖はどうして暮らしていたかな。
タ:洞窟など、外に暮らしていたのではないかな。
ま:いいぞ。となると、夜、火をつけて明かりを灯すよな。そしてその明かりは、他にも何かに役立たなかったかな?
タ:ええ、何だろう?
ハ:ひょっとして、火の光があるので、野獣に襲われなかったとか?
ま:その通り。ハナコはいいところに気がついたね。
こうして見ると、火にはいろんな役割があったね。まとめておこう。
一つは、食糧に火を通すことで、食べることができるようになった。それから、火で暖をとることもできた。いずれも、熱エネルギーを利用した。
また、火を灯すと明るくなり、それから野獣に襲われないように身の安全を守ることもできた。こちらは、光エネルギーだ。
こうしてぼくたちの先祖は、火を利用することで格段に進歩したんだ。
2021年7月22日、まさお
関連サイト:
人類と火の歴史(東洋大学名誉教授、佐藤研二)
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