新しいエネルギー

 前回、産業革命によって人類が革命的に進歩したことについて書いた。それは、近代のはじまりでもあった。現在の社会の豊かさは、産業革命なしに考えることができない。

 それは、石油や石炭などの化石燃料をベースとしたエネルギー革命でもあった。前回も書いたが、この化石燃料こそが資本をもたらし、資本主義が発展した。

 化石燃料は本来、地球に埋設されている。地球の財産なのだ。人類全体の財産でもあるはずだ。それを、化石燃料は特定の個人ないし団体が所有するものだとした。それが資本主義の基盤だと、ぼくは思っている。

 しかし、化石燃料を土台とする経済と社会が永久に続くわけではない。一つに、化石燃料が有限だからだ。化石燃料が枯渇したら、社会と経済はどうなるのか、それを考えなければならない。

 化石燃料を燃料として使うことで、人類は環境を汚染し、地球を破壊してきた。その負担は、これまで誰も追ってこなかった。次の世代に押し付ける形になっている。

 この現状から、資本主義の終わりが見えてきた、資本主義はもう終わりだという人もいる。

 これから考えなければならないのは、環境を破壊せず、今の社会と経済を維持、発展させていく持続的な社会と経済つくりだ。

 気候変動が明らかになるにしたがい、資本は持続可能な経済や技術に流れていくだろう。でも化石燃料が存在する限り、資本主義は化石燃料と持続可能な経済を両立させようとすると思う。

 だからぼくは、資本主義はそう簡単には終わらないと思っている。

 むしろ、それと並行して新しい社会、経済がはじまっていくのではないかと思う。人類が、再生可能エネルギーという新しいエネルギーを手にしたからだ。

 再生可能エネルギーは、新しいエネルギーではない。元々地球で利用できるエネルギーだった。身の回りにあるエネルギーだ。新しいのは、それを基幹エネルギーとしてエネルギー供給できる技術を開発し、それを使うことをはじめたことだ。

 それに伴い、再生可能エネルギーを基盤とした新しいエネルギー革命がはじまる。むしろ、はじまらざるを得ないといったほうがいい。

2020年1月22日、まさお

関連サイト:
現在社会は産業革命のおかげ
人類はエネルギーとともに進歩してきた
脱蒸気機関、脱内燃機関、脱産業革命

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