これから何に投資するのか(4)

農業の地産地消化

 前回、新型コロナのパンデミックによって農業の問題が明らかになっていると書きました。問題は簡単にいえば、農業のグローバル化と工業化だと思います。新型コロナの流行で農業改革について考え、実行するいい機会だと思います。

 それでは、農業をどう換えるべきなのでしょうか。

 ぼくは、農業の基本は地産地消だと思います。農産物はできるだけ地元でつくり、地元でできたものを食べる。ただそれでは、農産物が高くなるだけではないかと批判されると思います。

 現在の農業の問題は、まさしくそこにあると思います。新型コロナでは、農産物を供給することがいかに大切かがわかりました。でも、農産物は生活に欠かせないものなので安価に抑えられています。その結果、安い労働力を求めてグルーバル化され、大量生産するために工業化されます。

 それによって、安い農産物が市場に出回ります。でもその結果、安い農産物の種類が限定され、質が落ちます。ぼくは逆に、農産物こそ高品質で多品種少量生産するのが基本だと思っています。

スーパーで地元産(Regional)と表示された食品

 農産物を手作りに戻します。というと、それで人口増加で食料の需要が増えているのにそれで対応できるのかと批判されると思います。それに対して、ぼくばこう考えています。

 農産物が安価で低品質だから、食べても満足感がない。その分、多量に食べるようになる。低品質だから添加物で加工してたくさん食べさせようとする。さらに安価だから、多量に販売しないと採算が合わない。その分、食品の無駄が多量に出ているる。

 デスカウントスーパーで買い物すると、1パックされている量が多いことに気づきます。これは、安いから多量に買わせるということです。でも量が多いから、食べきらないうちに腐って、捨ててしまいます。

 一般のスーパーでも、売り残った食品が毎日多量に捨てられています。これは、安価に多量生産する工業化された農業による弊害です。現在の農業が悪循環している証拠だと思います。

 ぼくたちは質の悪い食品を多量に食べるので、病気にもなりやすくなっていると思います。農産物を地産地消すれば、農産物は充分に熟してから収穫します。太陽のエネルギーをたくさん吸収した、おいしい農産物が収穫できます。

 おいしいと少量で満足感が生まれます。食べ過ぎません。割高なものを少量買うので、消費者の負担は安価なものを多量に買うのに比べても、大きな差は生まれないと思います。食品が高価なものだと意識が改革されれば、食品の無駄も少なくなります。

 農業は、たくさんの農産物を輸送します。農業には、肥料の生産と実際の農業、さらに輸送にたくさんのエネルギーを使います。農業の地産地消化で、エネルギー消費も大幅に削減できます。

 ドイツのスーパーマーケットでは、農産物の生産国が表示されています。同じ農産物なら、自分のいる場所にできるだけ近いところで収穫された農産物を買いたいものです。

2020年5月24日、まさお

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