ソーシャル銀行が必要

市民が自立して、社会を市民中心社会に改革するには、ソーシャル銀行が必要不可欠となる。ソーシャル銀行は、低金利、無担保で貧乏人に少額融資する。マクロクレジットを行う銀行だ。貧乏人はそれによって、自立できるようになる。ソーシャル銀行は、市民によって共同で、連帯して支えられる。


第8章冒頭文

将来社会はどうあるべきか。これまでの行き詰まった社会を改革し、将来社会にビジョンを持つことが必要となる。そのキーワードは、「市民」と「持続可能」だ。社会が持続可能となり、市民が中心となる社会。それが、将来の社会像だ。それは、石炭や石油などの化石燃料から自然な再生可能エネルギーに転換することによって可能となる。そのための具体的な事例を、ドイツを例にして挙げてみたい。


エネルギー転換は安全保障となるが、それには

再生可能エネルギーによって自国でのエネルギー自給率が上がれば、国際経済の影響を受けにくくなるほか、資源獲得で他国と争う必要がなくなる。しかし気候変動問題によって、これから食糧難と水不足で、国際紛争がより複雑で、深刻になる。それに対して、どうすべきなのか。


共有と共用、共生の哲学

市民が中心となる社会では、たくさんのものが市民の間でシェアされ、シェアリング社会がくると思う。自分の財産や報酬、持ち物などあらゆるものが共有と共用、共生に資するという哲学がその基盤になる。特に、エネルギーや水道、交通、住宅などライフラインや、生活においては地区の隣人同士で、こうしたことが実践される。


所有意識、資本主義、国家意識が変わる

ドイツの国土整備、都市開発では、共有と共用が前提になっている。土地は所有者であっても、自由勝手に利用することはできない。行政によって厳しく管理されている。この共有と共用が、再エネを利用する原則でもある。それとともに、資源を所有する意識が変わるのは間違いない。その結果、資本主義と国家意識も弱体化されていくはずだ。