餌に調味料あり

 タロウにアレルギーがあることがわかった。それで、苦労したのが餌の問題だった。ハナコに魚と牛肉にアレルギーがあるのだから、血のつながりのあるタロウに、同じアレルギーがあってもおかしくない。

 ハナコはドライフードしか食べない。何度となくウェットフードも食べさせようと試みたが、うまくいかなかった。むしろ、そのために牛の生ひき肉を食べさせたりした。後でわかったことだが、それで余計にアレルギー反応を引き起こしていた。

 タロウは、ほとんどウェットフードしか食べない。ただ純粋な肉を食べさせようと、同じように牛の生ひき肉を食べさせたり、鳥のささみをゆでて食べさせた。知らなかったとはいえ、タロウにも悪いことをしていたことになる。

 肉食動物なのだから、生肉を食べたほうがいいと思っていたのが間違いだった。ネコの餌にはいろいろ問題があることも聞いていたので、市販の餌だけに頼りたくないということもあった。

 前飼っていた雌ネコでは、餌で苦労することがなかった。だからハナコもタロウも問題ないだろうと、安心していたのもよくなかった。ハナコとタロウを飼う前に、少し餌のことをよく調べておくべきだったと後悔している。

はじめて犬を見た時のタロウ(左)とハナコ(右)

 前の雌ネコが亡くなってから、何年も経っていた。今から思うと、5年ほどの間にネコの餌についてかなり新しい科学的な知見が出ていた。それを知っておくべきだった。

 昔ぼくの小さい時には、ごはんに味噌汁のかすを混ぜてネコに与えていた。そんな時代はもう終わったのだ。

 ハナコのほうはアレルギーがあることがわかって、獣医の推薦する高級ドライフードに簡単に切り換えることができた。すぐにおいしそうに食べはじめ、目やにのアレルギー反応も止まった。それで、からだつきもがっちりとするようになった。

 問題は、タロウのほうだった。小さい時から市販のどちらかというと安いほうのウェットフードを与えていた。それが問題だった。安物の餌には、食べやすいように調味料が入っている。タロウは、それに慣れてしまっていた。

 獣医の推薦する高級ウェットフードを与えるが、タロウはまったく振り向きもしない。こちらは、純粋に肉を主体につくられた餌で、調味料が入っていない。いろいろ試してみたが、ダメだった。

 高級フードを食べないので、仕方なくアレルギーを引き起こす牛と魚の入っていない安物の餌を与えた。すると、ガツガツ食べる。高級フードを食べないのは、それには食欲を誘う調味料が入っていないからだとわかった。

 調味料は表示があっても、消費者には何のことか判断できない。それも問題だ。知らないで、与えている飼い主がほとんどだと思う。

 まず当分は、タロウの餌を切り替えるのを諦めなければならなかった。

 それで、アレルギーが起こらなければいい。ただ、問題はそう簡単ではなかった。餌の問題については、これからもさらに機会のある毎に述べることにする。

2020年7月27日、まさお

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