哀れなワクチンパスポート
ドイツでは今、すごい勢で新型コロナウイルスの感染者が増えている。直近1週間の人口10万人当たりの感染者が、ドイツ全体でも300人を超えた。州によっては、ドイツ南東部のザクセン州のように、700人を超えているところもある。ベルリンも今日の時点で、はじめて300人を超えた。
感染者の多くは、ワクチン接種をしていない人。でもワクチンを2回接種した人の中にも、感染者が増えている。
ドイツではすでに、ワクチン2回接種後6カ月経過した人を対象に、3回目のワクチン接種がはじまっている。政府のワクチン委員会は今のところ、3回目のワクチン接種を70歳以上の高齢者と基幹疾患のある人、介護・医療従事者などにしか勧告していない。
しかしドイツ政府は3回目のワクチン接種を、ワクチン2回接種後6カ月経過した人すべてを対象にするとしている。とくに、感染防止率の低いジョンソン・ジョンソンのワクチンを接種した人に、ファイザー/バイオンテックかモデルナのワクチンを接種するのが緊急を要しているとする。
ぼくは2回目のワクチンを接種して、まだ6カ月経っていない。その点、まだ余裕がある。
でも、たいへん困っていることがある。
実は、ワクチンパスポートをうっかり『洗濯』してしまったのだ。アノラックを洗濯する時、ポケットをちゃんとチェックせずに、洗濯機に入れてしまった。
もう後の祭りだった。ワクチンパスポートは、日本のパスポートに挟んであった。ワクチンパスポートは洗濯後、哀れにもパスポートと同じ大きさに小さくなってしまっていた。パスポートに挟まれていた部分だけが、何とか救われたということだ。
それ以外は、粉々になって洗濯機から排水されたものと見られる。一緒に洗った衣類には、黄色の紙クズがほとんどくっついていなかった。それを思うと、ワクチンパスポートの紙は、弱い紙だなと思う。
これでは、ワクチンを2回接種していることはわかる。でも、いつ接種したのかわからない。その日付がなくなってしまっている。
早い話が、新しくワクチンパスポートを再発行してもらえばいい。でもぼくは、2回とも大規模ワクチンセンターで接種した。そのワクチンセンターはもう閉鎖され、もうやっていない。ぼくのデータがどこかに残っていると思うのだが、それをどこに問い合わせるのがいいのかが問題。
まあいろいろ問い合わせて見て、3回目のワクチン接種前に再発行してもらっておくしかない。あーあ、たらい回しにされるのが目に見えている。
ぼくはほとんど、医師のやっかいにならない。健康保険会社には、たいへんいいお客さんだと思う。保険料は寄付のようなもの。だから、家庭医を持っていない。ただ3回目のワクチン接種が、家庭医中心に行われることになると、どこかで引き受けてもらわないといけない。
これまでの2回のワクチン接種では、家庭医として開業しているところに何回か問い合わせて見たが、いっぱいだといってどこにも相手にされなかった。今回、どうなるかも気に掛かる。
幸いワクチン接種を証明するQRコードを、政府のワクチンアプリに載せている。そのQRコードを見せれば、ワクチン接種は証明できる。でも3回目のワクチンを接種しても、このワクチンパスポートに記入してもらうわけにはいかない。
まったくドジなことをしてしまったものだ。
日本のパスポートはどうなったかだが、ワクチンパスポートを挟んでいたページは、黄色くしみがついてしまった。だがそれ以外は、ワクチンパスポートほどボロボロにはなっていない。スタンプや文字も滲んでいない。これはすごいと、感心している。
問題は、チップが入っているので、それがまだ機能するかどうかだ。これは、今度パスコントロールに通過する時に試してみるしかないかとも思っている。
ただ各ページが、濡れて少しぶよぶよになっている。だから今、分厚く重い辞典を重しにして、しわを引き伸ばそうとしている。これが結構、効果がある。だからパスポートは、それほど哀れな感じではない。でも多少汚れて見えるし、人相も悪いので、偽造と疑われる心配はあるかもな。
2021年11月15日、まさお
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