タウシュ - 2025年1月2日更新

在宅看護がはじまる

在宅での緩和ケアでは、在宅看護チームに緩和ケアの資格がそれほど必要だとは思えない。しかし訪問医は、緩和ケアの資格のある医師であるべきだ。人手不足で余裕のないドイツの看護チームは時間に追われ、きめ細かい看護は期待できない。それに対し、日本の看護チームは気配りもあり柔軟に対応してもらっている。


ドイツでは、薬に関してインフォームドコンセントがない

ドイツでは、薬の管理が患者任せとなり、患者が薬を管理しやすいようにも工夫されていない。薬に関してインフォームドコンセプトがないので、自分の飲んでいる薬について何も知らない患者も多いと思う。薬に関して薬の情報が簡単に一目でわかる一覧表もないほか、おくすり手帳で医師間で情報を共有するシステムもない。


病院の医師には時間的な余裕がない

ドイツの病院は人材不足の問題を抱えている。その結果医師に、患者に寄り添う時間がなくなっている。病院にはさらに、経済的な余裕もない。こうした問題を解消するため、病院を統合するほか、病院毎に治療専門分野を特化して、より専門性を持たせることが考えられている。ただそれで問題を解決できるのか、課題は大きい。


ドイツ最先端の大学病院にインフォームドコンセントはあるのか

ぼくの母が検査入院した日本の地方にある大学病院と、ぼくがベルリンで後見人をしていた友人が検査入院したベルリンの世界有数の大学病院とでは、インフォームドコンセプトに大きな差があった。ベルリンの大学病院は患者の意向と容態を無視して検査を進め、インフォームドコンセプトがないのかと腹立たしい思いをした。


大学病院で診察を受ける難しさ

日独において大学病院は、精密検査をして治療するための病院。緩和ケアを選択すると、緩和ケア体制が決まるまでしか大学病院にはおれない。母はがんでもう治療しないことにしたが、日本の大学病院では定期検診を受けることができた。ドイツでは無理だったと思う。コロナ禍の患者への気配りも、日本の大学病院のほうが優れていた。


日独で緩和ケア医の実態は

ぼくはベルリンと日本で、緩和ケアの実態を目の当たりにした。その経験から、日本とドイツにおける緩和ケアの状況について比較する。今回は、在宅緩和ケアで往診にきてもらう医師のこと。緩和ケアの資格を持っていないとできないドイツと、資格がなくても緩和ケアのできる日本で異なるが、それぞれに一長一短がある。


日本のケアマネ制度をドイツに持ってきたい

ドイツ・ベルリンと日本で在宅で緩和ケアした体験からすると、介護においては日本のケアマネージャーさんは、患者やその家族にとってとてもありがたい存在だ。ドイツでは患者や患者の家族や友人が介護制度のことを熟知した上で、どういうサービスを受けるのか申請しないとまったくどうにもならない。日本とドイツでは、雲泥の差だ。


緩和ケア病棟か、在宅ケアか

緩和ケア病棟では、入院が30日を超えると、入院料金が減額される。それは、長期に入院すると、患者側の負担は軽減されるが、病院に入る収入が減ることも意味する。そのため母の入院していた病院では、緩和ケア病棟での入院日数が30日を超えると、在宅療養に切り替えてはというプレッシャーが強くなる。


緩和ケア病棟はホスピスではない

ホスピスの代わりかと思って、母を地元病院の緩和ケア病棟に入院させた。しかし緩和ケア病棟は、在宅療法に切り替えるための橋渡しだとわかる。在宅になっても、訪問医も看護チームは誰も緩和ケアの資格を持っていない。それには不安もあったが、緩和ケア病棟での入院が長引くにつれ、在宅への切り替えを求めるプレッシャーが強くなる。